運のいい売り場はあるのか。回による差を実測する
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「あの売り場は縁起がいい」という言い方があります。スポーツくじにも同じ考え方が 通じるのか、というご質問をいただくことがあります。結論から書くと、本サービスは売り場ごとの実績を持っていません。あるともないとも言えません。代わりに、本サービスが測れている軸を出します。 それは場所ではなく回です。
売り場による差は、測れていますか
測れていません。本サービスが扱っているのは試合の記録と、そこから作った予測、 そして公式が公開している得票です。どこで買われたかという情報は、どこにも入っていません。したがって「この売り場は他より実績が良い」という比較を、本サービスの数字から 作ることはできません。
持っていないものについて、それらしい説明を書くことはしません。ここで 「理屈から言えば差は無いはずです」と続けることもできますが、それは推測で あって実測ではありません。本サービスは測っていないものを測ったように書かない 方針です。
では、何による差なら測れていますか
回による差です。しかもこれは、締切より前に計算できます。全枠で最有力の結果を選んだときに 全部そろう確率を回ごとに出すと、899 回の中央値は 0.0044%、いちばん高い回で 0.2556%、いちばん低い回で 0.00051% でした。
いちばん高い回といちばん低い回の開きは 502 倍です。同じ商品でも、回によってこれだけ難しさが違います。そしてこの違いは、新しい情報を待たなくても、締切の時点で分かっています。 どの試合が組まれたかだけで決まるからです。
「運のいい場所」を探す代わりに「読みやすい回を選ぶ」という考え方は、 少なくとも測れる軸の上に乗っています。場所の話と違って、確かめようがある、ということです。
読みやすい回を選べば得をしますか
そこは慎重に書きます。読みやすい回を選ぶと全枠そろう確率は上がりますが、上がり幅がはっきりしているとは言えません。読みやすい方から3分の1の回を選んだ場合の倍率は、 全期間では 1.47 倍ですが、2016年以降の894回に限ると 1.20 倍まで下がり、 この差は偶然の範囲に収まります (p = 0.335)。
加えて、確率が上がることと手元に残る金額が増えることは別です。読みやすい回は ほかの人にとっても読みやすいので、同じ買い目に人が集まりやすくなります。 当せん金は的中した口数で分け合うため、そろいやすさと取り分は逆を向くことがあります。
- 当てやすい回の見分け方。倍率と検定はこちらに詳しく書いています。
- 当せん金の決まり方はどう違うのか
本サービスが実際に測っているものは何ですか
1枠ごとの的中率です。代表成績は 46.8% (7,719 / 16,503)、モデルは dc-elo-0.4.0 です。これは「全枠そろう確率」ではありません。枠がそろって初めて当せんが決まるので、枠数ぶんの掛け算で急に小さくなります。
売り場の話にせよ回の話にせよ、最後に効いてくるのはこの掛け算です。1枠の 的中率を少し上げても、13枠そろえる難しさは桁で残ります。どこで買うかより、何枠そろえる商品を買うかのほうが、桁への影響は大きいということです。
なぜ「よく出る場所」という話が生まれるのですか
本サービスに販売所のデータはありませんが、数え方の一般的な性質として言えることはあります。販売の数が多い場所ほど、的中の件数も多くなります。件数だけを 並べれば、大きな売り場が上位に来ます。これは割合の話ではなく、 分母が大きいという話です。
本サービスが率を単独で出さず、分子と分母をいつも対で書いているのも同じ理由 です。「何件的中した」という数字は、何件のうちなのかが分からないと意味を 持ちません。成績のページでも記事でも、この形を崩していません。
売り場の話に戻ると、公平に比べるには「その売り場で何口売れ、そのうち何口が 的中したか」という対の数字が要ります。その数字を本サービスは持っていません。 持っていない以上、件数の多寡から結論を出すことはできません。
同じ落とし穴は、予測の成績を読むときにも起きます。「この予想は10回連続で 的中した」という話は、何回のうち10回なのかが抜けています。10回しか出して いない人と、1,000回出している人では、同じ10連続でも意味がまるで違います。 分母を添えない数字は、都合の良い区間だけを切り出せてしまうからです。
本サービスの成績ページでは、集計期間とモデルの版も一緒に出しています。 期間を区切り直せば数字は動きますし、モデルが変われば前の版の成績は そのモデルのものではなくなります。どの条件で数えたのかまで書いて、 はじめて比べられる数字になります。
この記事のまとめ
- 売り場ごとの実績は持っていないので、あるともないとも言えません。
- 回による難易度の差は測れていて、いちばん高い回と低い回で大きく開きます。 しかも締切前に分かります。
- ただし読みやすい回を選ぶ効果は、近年に限ると偶然の範囲に収まります。
- 確率が上がることと、手元に残る金額が増えることは別の話です。